「パッと聞いた感じ、ギャンブルじゃね:トランスフォーマーを用いてギャンブラーの環境音からギャンブル場訪問を検出」がScientific Reportsで出版されました。データサイエンス部門の横谷謙次が責任著者で執筆した論文「Sounds like gambling: detection of gambling venue visitation from sounds in gamblers’ environments using a transformer」がScientific Reportsで出版されました。共著者は徳島大学の山本哲也先生、大阪大学の高橋英之先生、藤田医科大学の高村真広先生、京都大学の阿部修士先生です。
携帯電話で周囲の音源を録音して、その音を解析することで、携帯電話の所有者がどの場所を訪れているのかを推定することが出来ます。このアプローチを用いて、携帯電話の所有者が麻雀ホール、パチンコ、パチスロ及び6種類の非ギャンブル場(例えばカフェ、ラーメン店など)のどこにいるのかを推定しました。
まず、麻雀、パチンコ、パチスロ及びビンゴをプレイしているときの事象(イベント)が音響特徴として区別し得るかどうかを確認しました。下記の図からもそれぞれのギャンブルのプレイ中の事象は音響特徴が異なることが分かります。
次に、ギャンブルのプレイ中の事象とそうでない事象(犬が吠えている事象、雨が降っている事象など)とが機械で分類できるかどうかを検証しました。その結果、ギャンブルのプレイ中の事象を機械は上手く分類することが出来ていました。
更に麻雀、パチンコ、パチスロ及びビンゴが行われている場所とそうでない場所(スーパーやビーチなど)とを区別できるかどうかを検証しました。その結果、うまく推定できることが分かりました。
更に、携帯電話の持ち方を下記の4種類(カバンに入れている、手に持っている、ポケットに入れている(マイク上)、ポケットに入れている(マイク下))に分けて、それでも推定可能かどうかを検証しました。
その結果、パチンコとパチスロについては高精度で推定し得ることが分かりました。
ギャンブラーに頻繁に通う方は、通っている頻度を聞いても実際の頻度の約半分程度しか答えてくれないことが先行研究で分かっています。本研究のアプローチを用いれば、ギャンブラーの方の通う頻度が正確に推定でき、「ギャンブル依存症」の重症度の程度をより正確に測定することが出来ます。
論文は下記で閲覧可能です(英語です)。
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